Third Rail Projects(サードレールプロジェクツ)とは?
「Sleep No More」と共にニューヨークにおけるイマーシブシアターの二大祖父と言われた「Then She Fell」を産んだ、米国初と言われるイマーシブシアタークリエイター。
英語圏最大のイマーシブシアター情報サイトであるNo Prosceniumが、「Then She Fell」が無かったらNo Proは生まれなかったと明言するほど、Sleep No Moreと同じくらい世界のイマーシブシアター界に影響を与えた作品である。
DAZZLEやego:pression、daisydoseといった日本のダンス系イマーシブクリエイターも例外ではない。
「Then She Fell」はブルックリンにある秘密の特設会場で約8年間常設でロングラン公演されていた、「不思議の国のアリス」にインスパイヤされた全編誘導タイプの作品。
空間の使い方が天才的で、その演出を見事に再現したダンサーの身体能力に圧倒されるシーンが次々に展開されていき、それを少人数で体験することができるという大変贅沢な公演であった。
観客は全部で最大15人。登場人物たちに誘導され、最大でも5人、シーンによっては1人から2人での体験となり、興奮と緊張が続いた。私も大変思い出に残っており、1度しか行けなかったが一生忘れたくない体験で、ひょっとしたら自分の中で「ベスト」と言えるイマーシブシアターかもしれない。
コロナ禍中に惜しまれつつもクローズしてしまった「Then She Fell」であるが、叶うならば再びオープンしてほしいと強く願っている。
そんなTRPは、直近だとシカゴやデンバーといったエリアで公演をしていたが、新作を引っ提げてついにニューヨークに戻って来る!
2023年11月からニューヨーク公演の為のクラウドファンディングが行われ、目標金額の$20,000(約296万)を達成した。
現在、クラウドファンディングの期間は終了しているが、寄付を行うことができる。
新作は音楽からインスピレーションを得たラブストーリー
「True Love Forever」
どうやら今回は、いくつもの部屋を移動していく「Then She Fell」のようなスタイルではなく、ライブハウスのようなワンフロアがメインとなるようだ。
この映像だけだと、Then She Fellのような空間デザインは見られず、前作のような「観客の位置から計算された」高さを生かした演出が体験できるかはわからない。
また、TRPはZach Morris、Tom Pearson、Jennine Willettからなる3人のチームだが、True Love Foreverの公式サイトではZachとTomの名前が記載されておらず、Jennineのみが携わっているコンテンツであると考えられる。今後のTRPのメンバー体制や活動も気になるばかり。
下記の動画は「Then She Fell」リハーサル時の3人のインタビュー映像である。(2012年)
尚、「Then She Fell」は途中で会場が変わっており、映像での会場は私が体験した場所とは異なる。
True Love Foreverの具体的な場所や公演期間にもまだ触れられていないので、単発もしくは、短い公演期間であることが予想されるが、Sleep No Moreが終了してしまう今、ニューヨークの常設イマーシブシアターとしてロングランを期待したい。
サードレールプロジェクツの今後の情報を逃さない為には、公式サイトからメーリングリストを登録しておくのをおすすめする。